バイバイ、闇。
2015年事情聴取の延長戦として始まった2016年座談会。
実質チャレンジクエスト周回を余儀なくされたセイバーウォーズに羅生門、2015年とくらべて性能抑え気味な概念礼装、逆に凶悪な刃を隠していたドクター礼装etcetc……2016年のFGOも強烈なエピソードまみれでした。
その凄まじさたるや。2015年が生みだした強大な闇が年を明けてなおFGOを蝕んでいるかのようです。
そんな雰囲気のなか、談義のテーマは2016年の終わりへと向かっていきます。
当時を知るマスターなら、2016年のFGOにこんな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
「型月とDWが開き直った年」
シーズンまたぎでお送りしてきた事情聴取大会もいよいよ大詰めです。
マスターたちのから騒ぎを最後までお楽しみください。
前回のドクター礼装大爆撃で死屍累々となったマスターたち。悲痛な空気を変えるべくまわした話題ガチャは、そんな質問を投げかけてきました。
シナリオ大増量と聞いたマスターたちが思いだしたのは、あのアメリカ大横断の話です。
「5章?」
「5章からのイメージ」
「5章だと思う。あそこから空気が変わった」
奈須きのこ自身が「ソシャゲは短いシナリオじゃないと遊んでもらえないと思ってたけど、イケそうだからやめた(意訳)」と後にふり返った1部5章イ・プルーリバス・ウナム。
いまではスッカリ当たり前になった長尺すぎるシナリオパートが始まったのがこのタイミングで「やってもやっても終わらねえ」「だけどメチャクチャ面白かった」「5章実装が3月末で、エイプリルフールにサーヴァントがリヨ化した。そのまま5章クリアした」と彼らは当時の思い出を語ります。
▲いまでは毎年恒例のリヨ酷使エイプリルフールがはじまったのも2016年から
容赦ないシナリオ攻勢は6章キャメロットでさらに加速。これまたFGO名物バトルなしAP消費0のシナリオオンリークエストが登場します。テキスト量も5章の1.5倍の大ボリュームでマスターたちの時間と体力と目を容赦なくおそい、それ以上の感動を与えてくれました。
「シナリオオンリークエストは感動だった」
「遂にやりやがったと思ったよ」
「シナリオオンリークエスト、そうそうその方向性や…って謎目線して喜んじゃった」
「無理に戦闘入れなくてもいいんだ、って気づいてから本気を出された」
実装日の数か月前に特異点バナーがエルサレムからキャメロットに変わるといった演出もくわえた渾身の6章。いまでは定番でも当時は完全初見だった負けイベ詐欺ギフトガウェインの衝撃も重なり、マスターたちの心にロンゴミニアドをぶっ刺していったのです。
1周年記念で聖晶石召喚を4個から3個へ永続割引したのもちょうどこの頃。自重しないシナリオの登場に合わせるかのように改善されていったFGOへの期待感は、2016年の最後に爆発します。
7章バビロニアの勢いそのままに開幕した冠位時間神殿ソロモン、そして魔神柱レイドです。
まずツイッターでは次に倒れるであろう魔神柱がトレンド入りする、非公式のソロモンなりきりアカウントが大流行するなど。
「ツイッタートレンド入りは死刑宣告」
「トレンド入りする魔神柱変えようとしてあえて違う魔神柱の名前呟いてる人いましたね」
「「僕と一緒に柱の6時間をすごそう」byノッブ」
「ソロモンなりきり垢が魔神柱折れるたびに絶叫してたやつ」
「ソロモン垢あったね懐かしい」
シナリオについてはこれを読んでいる人それぞれに感想があるでしょう。今回集まったマスターたちは2015年からFGOを始めた人が大半だからか、ここまでついてきたからこその感動を語る方が多かったですね。
「ジャンヌがリリースPVのセリフをついに言ったのがあまりに熱かった」
「(これまでのイベントサーヴァントが勢ぞろいした)廃棄孔、マジで初期から追ってきた人は笑いながら泣いた」
「終章はテラ後だったからアルテラで泣く」
2015年マスター事情聴取大会では「やっぱりシナリオが面白いから大変でも続けた」という声がありました。
5章から段階的に解放され、終章で完全に花開いたシナリオ改革の流れは、そんなFGOの可能性を信じてきたプレイヤーにゲームが応えてくれた。そんな見方もできるのだと思います。
一説にはあれをきっかけに新規プレイヤーが一気に増えたとの声もある2016年末の大騒ぎ。
2020年のいまでは少数派になっているだろう、リアルタイムで体験したマスターたちが当時どうなったかというと。
「人理修復後の1週間何も手をつけれなかったマスター自分以外にもいます?」
「はい」
「はい」
「はい」
「はい」
はい。
さて。
ここまでで察しがついた方もいらっしゃるかもしれません。
過去3本の記事ではなにかと暗い話題が多かったこのシリーズ。5章のシナリオ大増量から始まった2016年4月以降は今回の参加者から闇を想起させるエピソードはほぼ語られませんでした。
実際には悪い話もあるのでしょうが、それを「面白い」「どんどん良くなっていく」が上回るようになっていった。
FGOが2015年から積みあげてきた進化が花開いた年。それが2016年なのかもしれません。
最後の話題です。話題ガチャの神さまがほほえんでくれたのか、しめくくりにふさわしいお題となりました。
2015年の部でも似た話題はありましたが、楽しめている理由は何度聞いたっていいものです。
参加者のみなさんも快く語ってくださいました。やはり多かったのはシナリオ関係。
「奈須きのこの描く型月作品だったので」
「冬木、オルレアンとシナリオが面白かったので!」
「とりあえずストーリーの結末が見たかった→5章のシナリオ量に殴られてこれはついてくるしかねぇなってなった」
型月だから、という期待から入ったユーザーがそのまま「やっぱり型月だ!」と思ってそのまま続けたケースはやはり強い。
「最初の最初からいまでも放置されている特異点F」や「1部2部と闘いつづけたぐだやマシュの結末」が気になって仕方ないマスターも多く、そういった謎や伏線もモチベーションの立派な原動力ですね。
FGOの終わりが見たい。そんな気持ちはもちろん筆者にもあります。
▲2部も後半戦にはいったのに言及すらされないやべーやつ
「バトルがずーっと面白かった」「最初から今まで面白いゲームでありつづけた」など、前回でも出た理由もあらためて話してもらいました。
ほかに目立った理由は、他ユーザーとの距離感が絶妙だったとのこと。
「対人要素もマルチもランキングもない」
「ランキングないの本当に助かる。ランキングは地獄ですからね・・・」
「ツイッターでなんだかんだフォロワーと盛り上がりながらやるの楽しい」
「ツイッターで良いことも悪いことも話せる相手がいたのが大きかったかな」
なかには「FGOにギルドのような要素があったらここまでの巨大コンテンツにはなれなかったと思う」といった意見もあるほどで、参加者の全員が対人要素の少なさを評価していました。
最近はだいぶ減りましたが、2015~16年付近のソシャゲといえば対人要素が当たり前でした。ユーザー同士のランキング争いが地獄なのはマンガでわかるでもネタになったほど。そういったソシャゲにおける悪い意味での人間関係がFGOにはありません。
「当時は相当めずらしがられた」という対人要素の少なさは、FGOがここまで続き、マスターたちがいまも旅を続けられているおおきな理由になっているのですね。
「今のマシュ、変身能力を失ったレジェンドライダーみたいな」
「さて、この空を守ったのはいったい誰なんでしょうか?ねえ、先輩……」
「重い荷物を枕にしたら深呼吸青空になるんですよ!先輩!」
「ストーーーーーーーーーップ!!!!!!!」
1月13日22:00。終了5分前になぜか仮面ライダーの話を始めた参加者たちに無理やり歯止めをかける筆者。
前回はトラウマを思い出すがゆえに一致団結としていた一方、今回は楽しかった日々をふり返ってきました。なので話題があっちこちに飛んでしまったようです。だからといってFGO座談会で仮面ライダーの話する?
参加者からも「これどうやってまとめるの?」「プララヤするしかなくない?」などの心配を多数いただきました。ありがとう。なにも考えず好きに話していいよと言った私の責任です。とりあえずこんなモンでいかがでしょうか。
あらためて、ご協力ありがとうございました。
かくして記事数4本、合計文字数1万オーバーでお届けしてきた初期FGO事情聴取は今回でおひらきです。
読者のみなさまには筆者のお勉強に付きあわせてしまいましたね。あなたのFGOを見つめなおすきっかけにでもなっていれば、それは素晴らしいことではないでしょうか。
もちろん、FGOのエピソードはこんなものでは収まりません。
「ダントツの最弱☆5サーヴァント諸葛孔明」の話がない、「島﨑信長の生放送伝説」が載っていない、といった感想もあるはずです。そんな想いを抱いた方はあなたのFGO体験をどっかに書いてください。読みにいきます。めっちゃ読みます。聞かせてプリーズ。
最後に。初期FGO事情聴取は今回でおしまいですが、また気になることができたら筆者は歴史のお勉強を始めると思います。その時は付きあってもらえるとうれしいです。
それでは今回はこのへんで。
シーズン5もありがとうございました。またいつか、シーズン6でお目にかかれば幸いです。
ではまた。
参加者一覧(敬称略・順不同)
Writer:ハチミツ
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