やっぱり剣聖はすごい。ぼくはそうおもった。
柳生但馬守宗矩。英霊剣豪で宮本武蔵と運命(片思い)の果し合いをおこない、カルデアに来てからは頼れる年長者としてギャグもシリアスもこなしてくれる剣聖のりゅーたんこと柳生さん。
ところで、みなさんは柳生さんの戦闘をはじめて見たときの印象を覚えていますか?正直な話「何やってるかわからねえ」と感じた人も多かったのではないでしょうか?
剣聖の称号は伊達ではなく、柳生さんの剣技はとにかく速いのが特徴です。
戦闘モーションもこの設定をしっかり反映しており、通常の倍速戦闘では太刀筋をまともに見ることすらままなりません。
今回のテーマは「柳生但馬守宗矩への挑戦」です。
動画再生アプリのコマ送り機能を駆使して、肉眼では見切れない柳生さんの超高速初手モーションを検証していきます。
※検証だけ見たい人は飛ばしてかまいません。
忘れもしませぬ。
そう、あれは拙僧がホワイトデーイベントで初めて宮内庁の渡辺さんを使って「剣士というよりゴリラだな」と率直に思ったときのこと・・・・。
マイルームで「人を斬るのは苦手だ」と語る宮内庁の渡辺さん。
その言葉どおり、彼の剣技は人間よりずっと丈夫な鬼や魔性を斬ることに特化した攻撃です。もはや「斬る」ではなく「潰す」とでもいうべきでしょう。
一撃一撃に重みがあり、EXアタックはまるで大木をチェーンソーで真っ二つにするかのようですね。
ほとんどのサーヴァントに固有モーションが存在するFGOでは、このように戦闘スタイルにサーヴァントごとの個性を見いだせます。
同じ日本人剣士でも比較すればひとりひとり動きが異なるし、そこに彼らの背景が見いだせるのではないか。
そう考えてアレコレと手持ちの剣士サーヴァントの動きをソムリエってたところ、本題の柳生さんにぶつかりました。
「そういえばこの人、何やってるかよくわからねえな」
直前に鉄筋コンクリートを効率的に振りまわして的確に急所にねじ込んでくるゴリラ源氏武者を見ていたのもあってか、柳生さんの異常なスピードにあらためて気づいたのです。
とくに象徴的なのが敵に接近する初手モーションでした。
こんな風に居合の構えをしたと思っ
たら懐に飛びこんでおり、一閃を叩きこんでいる1stBuster。
倍速から等倍戦闘に戻しても、Youtubeの0.25倍再生を試してみても、モーションを録画し動画再生アプリで0.1倍速再生しても移動の瞬間を目視できません。規格外のスピードです。
ですが、見られないと知ればどうしてもこの目で拝みたくなるのが人情というもの。せっかく見比べているのに「見えませんでした」では面白くありません。
「絶対にその1srBusterを暴いてやらぁ!」
執念が実を結んだのか。はたまた「コマ送り」で検索したらすぐ無料アプリが出てくるAppStoreの品ぞろえのおかげか。
かくして新陰流への挑戦が幕を開けるのでした。
検証では『ウゴトル』というアプリの標準コマ送り機能を使用します。1コマごとの間隔はわずか0.03秒となっており、この文明の利器にかかれば宮内庁の渡辺さん渾身の1stBusterもこのとおりです。
動きだしから攻撃まで6コマ。倍速戦闘では目にも止まらぬ接近の流れが丸わかりですね。
もうひとつの例として、ホワイトデーイベントで活躍したサラリーマンの斎藤さんの動きをコマ送りでご覧ください。同じく6コマ程度で接近および攻撃をおこなっているのがわかります。仲良しか?
宮内庁の渡辺さんは敏捷A+、サラリーマンの斎藤さんは敏捷B+。同じ日本人剣士かつ敏捷ステータスも高水準の2人です。ひとまずの比較対象としてはじゅうぶんでしょう。
条件
・柳生さんを先頭にして1stBusterを使用
・「次のコマから移動を開始する」ポイントを動きだしと定義、起点とする
・1コマごとの間隔は0.03秒
条件はいずれも先の2人と同じです。
剣聖の動きだしから接近、そして攻撃までの一部始終をバッチリ激写してやりましょう。
▲構えるまでのモーションを4コマごとに撮影した3枚
見える!見えるぞ!私にも柳生さんが構える流れが見える!
次の瞬間、次の0.03秒で確実に彼は踏み込む!
柳生さん、いや、あえてこう呼ばせてもらおう。
柳生但馬守宗矩。年貢の納め時です。
あなたの動きはすでに菩薩(コマ送り)掌の上。剣聖だか新陰流だか御大層な名目を並べてもしょせんは江戸時代の話。令和の文明には勝てませんよ。
この「次のコマ」ボタンをタップすればあなたがどう踏み込むかも神域の居合も、すべてが白日の下に晒されるのです!
ンンンンンン!柳生但馬守宗矩、敗れたり!
!?
おわかりいただけただろうか。
柳生但馬守宗矩には初手モーションにおける移動の瞬間が存在しません。
始動ポイントを少しずつズラしながら30分ほど試行しましたが、宮内庁の渡辺さんやサラリーマンの斎藤さんのように移動の過程を柳生さんが見せることはありませんでした。
居合の瞬間も刀を抜く動作を捉えるのが精いっぱいで、刀の動きを直に捉えることは叶わず。
わずか4コマで接近および攻撃を成立させている計算になります。
また、斬撃からダメージ表示までのタイムラグはおよそ13コマだったことをに付け加えておきます。
▲柳生但馬守宗矩の貴重な抜刀シーン
Q.これはBusterが特別速いだけでArtsやQuickなら
A.すべてのコマンドにおける初手モーションで移動の瞬間は存在しません。確認済みです
正確にいうならばコマとコマの間、0.03秒未満のごくわずかな時間で間合いを詰めているワケです。
構えをとってから0.03秒足らずの踏み込みで間合いに入り、さらに0.06秒が過ぎた頃にはすでに斬っている。そう考えるしかありません。
この数字はゲーム内モーションを基準としているので、そのまま実際の戦闘に当てはまるわけではないでしょう。
ですが、あの宮内庁の渡辺さんやかのサラリーマンの斎藤さんが4コマ前後かけている移動の作業を0コマ以下で終わらせているのです。その凄まじさは言うに及ばず。
恐るべきは敏捷A++。そして魔力Eか。
そう。柳生さんは江戸時代の剣術家であり、魔術とは無縁の人生を歩みました。この高速移動は魔術やトリックの類ではなく、純粋な彼自身の技能に由来するものである、ということになります。
「『検証できなかった』という結果そのものが立派な検証結果である」
そう結論づけておきましょう。
やっぱり剣聖はすごい。ぼくは心からそうおもった。
今回はコマ送りを元に、柳生さんの速さにしぼって見てきました。
他にも柳生さんの戦闘モーションには「エフェクトが少ない」「しっかりした姿勢維持」といった特徴もありますので、この機会にあらためてチェックしてみるのもいいでしょう。
普段は動画として見ているモーションを静止画にすると新たな発見もありますので、お好きなサーヴァントでレッツコマ送り。
柳生さんと同じ敏捷A++で居合の達人である紅閻魔やArtsやQuickの挙動がとんでもない佐々木小次郎あたりがおすすめです。
また、今回の比較対象とした宮内庁の渡辺さんの豪快な剣技やサラリーマンの斎藤さんのトリッキーな無形の絶技もぜひご覧ください。
それでは最後にひとつだけ。
正座は18コマでした。
ではまた。
Writer:ハチミツ
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