そもそも何故か正座をする癖がある。幼少の頃から、特にそういうしつけを受けた記憶も無いが、背が低かったから背伸びの代わりだったのかもしれない。和室暮らしではあった。
今でも座敷の居酒屋ではいつも正座だし、ソファの上でも椅子の上でもつい足を折って座ってしまう。
それはそれでいいのですが、ソファとかクッションとかの上で正座すると足がしびれる。これを見越してクッションが固めのソファを選んでみたものの焼け石に水であった。
そこで座布団を買って床に座ってみたところ、割と快適であった。床が冷たいのは考えないことにする。しかし寝間着ではないズボンの時に座ると、生地がかさ張ってやはり足がしびれる。そういえば将棋の棋士は普段の対局ではスーツで正座だが、スーツを選ぶ時には正座しやすさで選ぶとか試着で正座するとか聞いたことがある。もちろん私はそういう観点では選んでいない。癖とはいえ正座が生活の基本ではない。とはいえ足がしびれるのを嫌って一日中部屋着では気合が入らない性分である。
そこで和服を買ってみた。最初は旅館の浴衣や甚兵衛みたいな簡単なやつにしてみた。部屋着とあまり変わらないものの、洋服と特に変わるところもなく楽である。もちろん正座もしやすい。
次に普通に外にも着ていける袷の着物を買ってみた。安いものだと数千円、そこそこ良い木綿の生地でも1万円くらいで買える。
所詮は部屋着としての用途であるので面倒な部分は徹底的に省く。羽織は買わなかったし、帯はなんか適当な浴衣の紐みたいなのでいいし、襦袢も足袋もなしで普通の靴下と下着。洋服と同程度には温かいし、寝間着ほどダラッとした感じでもないので作業もしやすい。たすき掛けのやり方は一応覚えたので手元も邪魔にはならない。外に出ないならまあこの程度でもいいし、それでもゴミ出しくらいは出られる。なんといっても座布団に座っても足がしびれないのが良い。
家に帰ってきて和服に着替えるというのは結構アリだ。そういえばサザエさんの波平さんもそんな感じだし。あれはそういうことだったのか。
ついでに角帯もついてきたので一応練習しておいたけど、たぶん出番は無さそう。
こうなるとやっぱり和室に住みたくなってくるけど、最近無いんだよな。和室だと本棚やPCをどうするか問題も出てくるし。