取材って、いまどきは誰しも無関係ではありません。
なぜなら、いろいろなメディアが登場し、誰もが取材を受ける立場になるかもしれないからです。そして、私は取材をする側でもあるので、日々取材力のようなものは、向上につとめています。
では、取材のコツはどのようなものなのでしょうか?
取材って、人の話を聞いて構成をまとめて、読者にわかりやすく専門家の知見を紹介するものですよね。基本的には、相手様の話を聞くことが仕事です。
しかし、相手のことをネットで調べて、たくさん知ったつもりになって、あれこれ「これは○○なんですよね?」「wikipediaに△△って書いてあったんですけどほんとうですか?」みたいな聞き方をしていると、まったくもりあがりません。
それどころか、「浅い知識しかないんだな」という印象を抱かせかねないのです。取材はあくまで、「教えていていただく」と「興味をもって調べてきました」のバランスが非常に重要です。
とくに、私の場合になりますが、調べるところは基本的な事項をポイントポイントで押さえるだけで、あとは流れに任せるようにしています。もしも取材先が著名人・有名人であって、取材をさんざんされており、同じことばかり聞かれているような気配があれば、また工夫する必要がありますが、私のような5年目レベルの初心者に毛が生えたようなライターには、そんな大御所の取材はまわってきません。まずは腕を磨くところからですね。
取材に取り組む前に必要なことがあります。Web系の取材の場合は、見出しをすべて設定しておくことです。最初から見出しだけ設定しておけば、話が暴走したとしても、見出しを埋めることさえできていれば、最低限の記事は完成します。
私が考える取材で大切なことは、なんといっても盛り上げることです。仕事で来ました、みたいなふうを出さず、相手に純粋な興味を持つこと。ちょっとオーバーめにリアクションすること。そうした工夫で、相手の気持ちを盛り上げ、話しやすい雰囲気、自己開示しやすいムードをつくっていきます。
こちらがわの自己開示も大切です。「本当は○○かなと思ってたんですが、実は△△なのですね!」といったテンプレートを使いながら、相手の気持ちを引き出していくことで、より良質で密度の濃い、さらには充実した取材につながります。
さらに自分の心の中をつねに観察しながら取材に挑むことも大切だと考えます。なぜなら、自分が最初の読者であるも同然だからです。つまり、取材中に「ここがわからないな、もうちょっと知りたいな」と自分が思うところは、おそらく読者もそう思うはずだからなのです。
よって取材をしながらでも、相手の話をうかがいながら、同時に自分の心をみつけて、違和感をつねにチェックしておく必要があります。そして、少しでもひっかかるところがあったら、取材の終わりにでもまた質問をします。そうすれば、相手もより詳しく話してくれますし、非常に興味深い時間となり、人生の価値も高まります。
このように取材は相手の話を聞くことでありながらも、同時に自分の心を見つめることでもあります。よって、疲労度は大変なものです。それでも、取材は専門家の知見をわかりやすく伝えて、メディアの品質を大きく高めることに貢献してくれます。
メディアが増え同時に情報発信をしていると、これから取材の引き合いなどもきっと増えてくるはずです。そんなときにお役に立ちますように。
Writer:namonakiwriter
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