フリーランスという生き方が増えてきました。そしてフリーランスがもてはやされています。
いま、40代の私が若かった頃にも、フリーランスはいましたし、新しい生き方といわれる人たちはいました。それが『フリーター』です。果たしてフリーランスは新しい生き方なのか、未来の社会問題なのか。将来のことは誰にも予測できません。経済学者のケインズも「未来は予測できない」と断言しています。
さて、フリーランスとして大切になってくるのが売上です。
今は顧客を持たないフリーランス、toCでの課金で暮らす人もいますが、ほとんどのフリーランスはお客様を持ち、toBで暮らしているのではないでしょうか。
そんなとき、役に立つのが実社会の経験です。
といっても、いまは新卒フリーランスなど、社会経験がほとんどないままフリーランスになる人も増えました。社会経験がないと、フリーランスで困ったときに、どうふるまったらいいかわからないし、売上を立てる方法も誰も教えてくれません。
ただ、消費者として実社会に接続している側面は、誰しもあると思います。
人は家賃を払い、スマホ代を払い、スーパーで食べ物を買って、電車で移動し、たまに外食して、コンビニでおやつを買って、暮らしていますよね。ほとんどの方が、こうした消費行動を取っているのではないでしょうか。
そこから、学べばいいのです。
そして、フリーランスにおすすめなのが、「寿司屋」に行ってみることです。
お寿司屋さんは、自分の予算とネタの美味しさがみごとに正比例します。
「そんなの、ハンバーグだって同じだよ!高いものは美味しい!」
と思われるかもしれません。
ただ、シャリに生魚を乗せるだけというシンプルな構造を持った寿司は、ネタの鮮度・獲れた海の透明度・その海を持った国の食文化・仕入れ力が関わっており、複雑なように見えて、シンプルに値段とキレイに質が比例するのです。
職人の力量もあるでしょう。
私は、すきやばし次郎という有名寿司店に行きたくても予約が取れず、いったことはないのですが、店主の小野さんの職人芸は見事で、本当に美味しいと聞きます。
そうした実力と値段がキレイに相関するので、新卒フリーランスにとっても学びが多いのです。たとえば、100円の回転寿司は、回転速度を高めることでお客さんが焦って取りやすい速度に設定されています。
また、100円150円300円の皿が準備され、絶妙に利益率の高い真ん中の皿が選ばれるよう仕掛けがほどこされているなど、心理学的なトリックも多いのです。もちろん、それはネガティブな話ではなく、ビジネスに活かせるポジティブな仕掛けです。
ただ、大衆店がマーケティングや心理学に依存している反面、高級店は、店と顧客がよりハイコンテクストな関係で結ばれます。寿司屋も店の格が上がるに従って、メニューが簡素になり、一筆書きになり、最後はおまかせになるのです。
フリーランスが受託していく上でも同じ現象が起きます。
仕事は最初、料金表を吟味するお客様がやってきて、そのうち一筆書きでも来店していただけるようになり、最後はおまかせオーダーで高単価の方とお付き合いするばかりになるのです。
別に人間的に上下があるわけではないですが、飲食には美味しいという抗いがたい本能に従ったランク付けがあるのは事実です。それをいかにしてフリーランスとして再現するか?それもまた、腕次第なのではないでしょうか。
Writer:namonakiwriter
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