サラリーマンがよく勧められる副業は、3種類あります。
・不動産経営
・株式投資(投資信託)
・ギャンブル投資(FX・仮想通貨)
金額的に考えれば株式投資がリスクが低く、一獲千金を狙うならギャンブル投資が推されるでしょう。
不動産経営は、両者に比べれば元手の金額も必要でありながら、多くのリターンは見込めない副業。
それでも副業として人気があるのは、節税効果があるからです。
では、不動産経営のどこが節税になるのかをご説明します。
個人が稼いだお金は、基本的に所得税の対象となります。
所得税には、10種類の所得に分類され、先ほどの3種類の副業は、以下の所得の対象となります。
不動産経営⇒不動産所得
株式投資⇒株式譲渡所得
仮想通貨⇒雑所得
3種類の中で、給与所得と損益通算ができるのは、不動産所得だけです。
他の2種類については、同じ所得内であれば可能ですが、他の所得との損益通算はできません。
損益通算の例題1
給与所得500万円と仮想通貨の赤字100万円がある場合
500万円+0円(赤字はゼロ)=500万円(合計所得金額)
損益通算の例題2
給与所得500万円と不動産所得の赤字100万円がある場合
500万円+(△100万円)=400万円(合計所得所得金額)
もし、所得税の税率が10%なら、100万円の赤字で10万円節税できる計算です。
赤字が発生しても納める税金が少なくなので、不動産投資のアピールポイントとして利用されます。
所得の計算は1年ごとに集計します。
ですので、経費を翌年に持ち越すことはできません。
ただ、建物などの高額資産であれば、減価償却費として何年かに分割して経費として落とすことができるのです。
建物などの資産には対応年数が決まっており、資産の種類によって、減価償却期間が異なります。
減価償却期間が5年の車を100万円で購入した場合、100万円を一度に経費するのではなく、20万円×5年間で経費を落とすことに。
継続的な不動産が発生すれば、毎年経費を有効活用できるので、減価償却は節税効果も期待できるのです。
不動産投資には、節税効果があります。
ただ、不動産所得の赤字はそもそもマイナスです。100万円の赤字より、1万円黒字で税金を支払った方が懐は潤うのは確かなところ。
また、不動産は高額であり、サラリーマンがキャッシュ購入できるものではありません。
不動産価値は上下しますので、物価が下落すれば、当然不動産価値(自分の資産)も下落します。
バブル期で1億円で買った不動産が、20年後に1,000万円になった話は珍しい話ではありません。
税務署時代、相続税や不動産譲渡の相談で何百回もそんな話を見て・聞いてきました。
なので、節税目的で不動産を買うなら、不動産を失っても問題ない程度の人がやるべき対策かと、経験上感じております。
土地の価値は下がらない神話は、バブル崩壊とともに崩れたと思われました。
しかし、令和に入ってからもワンルームマンションなど、ハイリスクな不動産投資をするサラリーマンが後を絶ちません。
(利益が出るワンルームマンションもありますが)
また、公務員も銀行ローンが通りやすいので、不動産投資のターゲットになりやすいです。
実際、税務署職員でも不動産投資をしている職員はいます。
(公務員の副業は認められていませんが、不動産投資はなぜかOKなのが摩訶不思議ところ。)
少子高齢化社会で、人口減少社会で、空き家が問題になっているのに、毎日新築物件が建築されることに誰も不思議がらないのは、不動産神話が残っている証拠。
投資することは悪いことではありませんが、リスク面を吟味した上で行ってください。
参考にならない程度のご参考に…
Writer:矢駒(ヤコマ)元税務署ブロガー兼ライター
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