こんにちは、矢駒(@chibayakoma)です。
仕事をしないで、楽をしている公務員を見かけたことがあるかも知れません。
私は、見てこられた10倍、税務署の職場で使えない職員を目の当たりにしてきました。
掃除機の如く、1部署に1人、使えない職員は実在しました。
ただ、使えない職員を処分するために、実力主義を導入してはいけません。
実力主義を導入すると、職員が個人プレーに走り、税金を取るマシーンが完成しますので。
公務員の仕事は、利益の出ない作業を仕事にしています。
利益が出ないから民営化しないのであり、損をする作業にこそ公務員の存在意義があります。
つまり、直接の利益など、客観的に評価する座標が公務員には存在しません。
相談対応の満足度を評価しても、どう国益に反映されるでしょうか。
親切丁寧な応対をすると、リピーターになって相談時間が増加するのでマイナス評価になるかもしれません。
ぶっちゃけますと、税務署では苦情にならない程度の対応をし、二度と税務署に相談しに来ないよう指導する職員の方が評価されます。
そんな税務署、嫌ですよね。
実は、確定申告は税務署が税金を得るためにしているのではありません。
確定申告で、納税申告する人はわずか3割未満の人だけ。
7割以上の人は、還付申告など、納税申告以外の人々です。
<平成29年分の所得税の申告件数>
全体 2,198万件
納税申告 640万件(29.2%)
還付申告 1,283万件(58.4%)
税額無申告 274万件(12.4%)
参考:平成29年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
納税は国民の義務です。
一方、還付申告は国民の権利です。
税務署は権利を阻害することはありませんが、積極的に国民の権利行使を後押しすることはありません。
それを前提とすると、税収が増えない還付申告の相談を廃止して、国は痛くも痒くもありません。
(苦情は山のようにありそうですが)
成果主義で考えれば、還付申告の対応をしても税収は増えず、職員の評価は上がりません。
逆に、相談対応を止めた時間は全て税務署は調査ができるので、職員は調査し放題です。
そんな税務署はいかがでしょうか。
税務調査には、事実関係を確認するだけの調査もあります。
事実関係に相違がれば是正しますが、事実関係が正しければ(修正箇所が無いので)税収は増えません。
しかし、成果主義を導入すると税収を増やすことだけに集中することになります。
成果主義でまっ先に思い浮かぶのが、営業職。
営業職は、営業しやすい顧客を狙いますよね。
特に、カモと呼ばれる優良顧客がいれば、積極的にセールストークを行います。
成果主義を税務署に導入すれば、税務調査にも同じことが起こります。
取りやすい納税者ばかりに税務調査を行い、面倒な業種の税務調査は後回しです。
そうなると、めんどくさい人が調査を受けない環境が整ってしまうので、全体としてはマイナスになります。
あーだこーだ話しましたが、脱税をする人がいなければ、税務調査をする必要がありません。
国民全員が税金知識を有していれば、税務相談をする必要もありません。
国民が正しく申告すれば、税務署の職員も不要です。
税務署の職員数が減少すれば、人件費削減になります。
人件費削減できれば、税負担も減少します。
理想論ではありますが、公務員の尻を叩くよりもよっぽど現実的な話です。
もっとも、その公務員も一人の国民ですが。
参考にならない程度のご参考に…
Writer:矢駒(ヤコマ)元税務署ブロガー兼ライター
HomePagehome Twitter