経費が認められる割合を断言する人の9割は信じてはいけない理由


こんにちは、矢駒(@chibayakoma)です。

ブログやSNS、YouTubeなので個人が情報発信される時代になって久しいですね。

税金関係に限定すれば、注目される話題は『節税』です。

自営業の人は、支払う経費の額が税金の計算に直接響いてきますので、死活問題。

なので節税ネタは喰いつきがよくなるのは、私の実体験でもあります。

しかし、残念ながらネットに転がっている情報は間違いばかり。

個人的には税務調査の税務署の見解についての話は、9割は間違っていると思っています。

では、どうして間違いが発信されるのか、ご説明して参ります。


自分の経験談は自分のみにしか当てはまらない

自営業をしていると、私用と仕事用を兼務する費用が発生します。

自宅の仕事場もそうですし、インターネットの利用料金も分けることは難しい費用です。

となると、知りたい情報としては、いくらまでが税務署に経費として認められるか。

ただ、元税務署職員の私の回答は「個々によって違う」としか言いようがありません。

自宅を仕事場にしている人でも、どのくらいのスペースを仕事場として利用しているかはバラバラですよね。

ライターなら1部屋(全体の3割)かもしれませんし、眼鏡屋さんなら7割くらいは仕事場かもしれません。

もし眼鏡屋さんが家賃の5割分を経費として申告すればまず認められます。

(割合が少なすぎますが)

しかし、ライターが家賃の5割を経費とすれば、当然指摘を受け修正申告の対象となるでしょう。

なぜなら、仕事として利用していな部分は経費として認められないからです。

なので、どのくらい割合が認められるかの割合は個々によって違うのは当たり前と言えます。


税務署は法律に明記されていない部分は明確に回答しない

税務署は、税金を扱う法律に基づいて職務にあたっていますが、法律の以外にも、国税庁からの通達文書に基づいて実務をしています。

通達」とは法律の解釈をまとめたもので、法律ではありません。

しかし、公務員は上司の指示に従う義務がありますので、税務署職員にとって通達は法律と同様に守らなければならない規則となります。

なので、通達に記載されている事項に関しては回答できますが、通達に書いていない情報については回答できません。

先ほどの経費の割合についても、通達に「○○なら5割」などの規定は存在しないので、大衆向けに「5割まではOK」などと発信できないのです。


税務署に明確な回答をしてもらいないなら前提条件をすべてそろえる必要がある

税務署が明確に答えないといっても、何も話さないのはただの後出しじゃんけん。

ですので、税務署も一定の条件を満たせば明確に回答してくれます。

その条件とは、回答する内容を限定にさせること。

極端な話、税務署がYES・NOで回答できるような質問をすることが必要となります。

経費の質問なら、「どのくらい経費として認められますか?」と聞いても明確な回答は得られません。

しかし、「自宅の面積の3割は仕事場として利用していますが、3割部分は経費として認められますか?」と質問すれば、税務署もYES・NOで答えてくれます。


ネットの情報を鵜呑みにすると失敗する

私は元税務署職員ですが、税理士資格を有していないため、税理士業務を行うことができません。

なので、個別の相談にのることもできませんし、ネット上の情報も同様です。

税務調査を受けて経費はオッケーだったなんて話はありますが、正直信憑性は薄いです。

本当かもしれませんが、本当だったところで前提条件が全員異なるので、その都度税務署の見解も変わります。

最終的に自分を守れるのは自分だけです。

基本的な情報は法律・通達に載っていますので、勉強するのが一番正確な情報源となります。


参考にならない程度のご参考に…


2019-08-12 06:43:48

Writer:矢駒(ヤコマ)元税務署ブロガー兼ライター

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