こんにちは、矢駒(@chibayakoma)です。
金融庁作成した報告書、通称『老後資金2000万円不足問題』が世間を賑わせております。
金融庁長官が謝罪する事態となっている問題ですが、私が一番可愛そうに感じているのは、資料を作成した金融庁職員です。
私はノンキャリ公務員でしたが、一生懸命に作ったデータが感情論で否定されるのは辛いものです。
キャリア公務員は叩かれるしかさせませんので、少しばかり私が擁護させていただきます。
老後2,000万円報告書は、間違った情報を流してはいません。
参考:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
金融庁は年金を運用している組織ではないので、そもそも年金問題は関係ないです。
金融庁は、「老後の不安なら手元にある預貯金を投資運用に回すのも選択肢ですよ」と、投資を推奨したかっただけでした。
普通に考えれば、今までどおり年金を受給するのは不可能です。
老後に2000万円不足するなら、資産を増やす手段を国民に教えるのも公務員の役割の一つです。
しかし、実際には(意図的に)切り取られて報道さてしまったので、報告書を撤回する時代となりました。
キャリア採用された職員は、優秀です。
東大や有名私立大学を卒業して就職したエリートが集まっています。
財務省勤務は東大系がほとんどですし、無名大学出身の人が官僚になることはありません。
しかし、同じ大学を卒業した人と比べると、キャリア公務員の年収が良いとは言えません。
平生30年度の総合職(キャリア)の初任給は180,700円です。
ボーナス4.45ヶ月分を換算しても、2,972,515円と年収300万円にすら届きません。
また、キャリア職員は、連日夜中まで残業します。
特に、国会が開催される期間は、夜通しで国会資料を作成しなければいけません。
それなのに働き続けるのは、国を支えたい気持ちがあるからです。
並の精神では、耐えることのできない環境で働いています。
公務員にはリストラが存在しません。
私はノンキャリ採用でしたが、現場にはどうしようもない中高年職員を数多くみてきました。
ただ、ノンキャリ採用は犯罪をしなければクビにはなりませんので、出世できなくてもいい人にとっては居心地いい場所です。
しかし、キャリア職員は、そんなことは言っていられません。
出世のイスに座れなかったキャリア職員は、居座るイスが残されていないです。
出世するためには、結果以上にキャリアに傷がつかないことが絶対条件。
野菜と同じで、味に問題がなくても、傷一つで評価がガタ落ちするのがキャリア職員です。
キャリア官僚を叩いても、意味がありません。
キャリア官僚を叩けば叩くほど、キャリア公務員になりたい人は減り続けます。
競争倍率が下がれば、その分優秀な職員も減少しますので、優秀ではない職員が国を動かすことになります。
・優秀な公務員
・優秀ではない公務員
どちらの公務員に、国を動かしてもらいたいでしょうか。
公務員を甘やかす必要はありませんが、作成している統計資料などにも目を通してあげてください。
あっ、勤労統計のデータ改ざんしてた
参考にならない程度のご参考に…
Writer:矢駒(ヤコマ)元税務署ブロガー兼ライター
HomePagehome Twitter