こんにちは、矢駒(@chibayakoma)です。
令和元年6月にシェアリングエコノミー等新分野の経済活動への的確な対応と題し、国税庁が今後の税環境の取り組みを公表しました。
記事内には、ブログやアフィリエイトで無申告な人を捕まえる方法も書いてありので、(お暇なら)一読を。
無申告で済まそうとする人は、いたずらがバレていないと思っている小学生と同じです。
調査対象になれば、逃げることは不可能なのを理解していない人が多いです。
ただ、国税組織も笑っていられる立場ではないのが、悲しい現実。
12年以上税務署勤務したので断言できますが、国税庁が意識高く掲げている目標は、税務署の現場まで届いていません。
税務署の現場からすると、国税庁が現場を見ていない現実に失望しています。
国税組織内で意識の齟齬がある分、情報が納税者まで上手く伝わりません。
この先は、現職の税務署職員は読まないでください。
結構ぶっちゃけますので。
「シェアリングエコノミー等新分野の経済活動への的確な対応」に絡めた話ですが、税務署の人間はシェアリングエコノミーなんて言葉を知りません。
意味を聞けば、「なるほど」と思う職員はいます。
ただ、シェアリングエコノミーの言葉を知らないと、その言葉に関連した情報は耳に入りません。
Twitterで税務署に質問してもまともな回答が得られなかった嘆きがありますが、それは単純に税務署職員が質問の意味を認識できていないだけです。
そのくらい税務署職員の知識は更新されません。
国税組織の仕組み上、しょうがないのですが、税務署の立場は受け身です。
正直、積極的に行動する意味がないんですよね。行動しても出世できるわけでもありませんので。
公務員には、法律上「上司の命令に従う義務」が存在します。
上司が右を向いたら、右を向かなければならないのが公務員です。
「事件は現場で起きているんだ!」なんて名言を吐きたいところですが、行動自体が正解でも上司の指示に逆らった懲戒処分の対象です。
つまり、自分で考えて行動するメリットがありません。
むしろ、上(国税庁、国税局)から降りてくる指示に従うのが利口な職員なのです。
国税庁が打ち出した指針は、税務署内の研修等で浸透させます。
なので形上は、国税組織が共通の認識を持っている体です。
ただ、税務署の現場からすると、指針なんてどうでもいいです。
ITやブロガーやアフィリエイターがと騒いでも、税務署で相談対応するほとんどは年金受給者かサラリーマンばかりです。
シェアリングエコノミーなんて言葉を仕事にしている人を調査するのは、ごく一部で税務署全体が力を入れることはありません。
国税庁の職員は現場を知りませんので、将来だけを見越して仕事ができます。
しかし、現場は違います。パソコンも使えない納税者を相手に仕事をするのがメインですので。
駄菓子屋さんで「電子マネーを導入すると便利ですよ」とアピールしても意味がありません。
利用者のほとんどは、現金しか持たない子どもですので。
それと同じことが、国税庁と税務署内で起こっています。
国税庁ホームページを見る機会なんて、確定申告期間以外に無いです。
税務署職員も電話相談の質問以外でホームページを開く人はほとんどいません。(マジで)
ただ、国税庁ホームページには貴重な情報がたくさん掲載されています。
死亡人数と申告件数を比べれば、相続税の対象者の割合がわかります。
申告件数と調査件数を比べれば、税務調査割合がわかります。
税務調査の割合を知れば、必要以上に税務調査の心配をする必要がないとわかります。
要は情報の仕入れ方です。
情報を仕入れる方法を知っていれば、税務署は怖い組織でもなんでもありません。
もっとも、国税庁ホームページが使い勝手が悪すぎるのは、改善してほしいですが。。
参考にならない程度のご参考に…
Writer:矢駒(ヤコマ)元税務署ブロガー兼ライター
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