こんにちは、矢駒(@chibayakoma)です。
世間の不倫・浮気報道が滑稽に感じてしまった実話ではディープすぎる話をしてしまったので、今回はライトなお話を。
「マルサ」ってご存知でしょうか。
マルサは国税局の部署であり、正式には国税局査察部を指す言葉です。
1987年に「マルサの女」という映画が大ヒットして、査察部が一躍有名になりました。
しかし、税務署の人間は、マルサなんて言葉一切使いません。
むしろ、マルサを使う時は、相手のレベルに合わせた会話をするときだけです。
結論から言ってしまえば、マルサ(査察部)の隠語は、国税局によって違います。
国税局(沖縄事務所を含む)は、全国に12ヶ所存在し、各地域によって呼び名は違います。
「6階」は、東京国税局査察部の隠語です。
隠語の由来は、東京国税局査察部の部署が6階にあったからです。
しかも、現在の東京国税局の6階の部屋は査察部ではありません。
旧東京国税局時代の査察部の部署が6階でした。
本当の隠語とは、聞いただけではわからない言葉です。
税務署の隠語を聞き取ろうとしても、不可能です。
なぜなら、部署によって隠語の由来がバラバラだからです。
例えば、マルサは、査察(ささつ)の頭文字をとって「○(まる)さ」です。
一方、税務署の個人課税部門は、職員同士では「トコロ」と呼んでいます。
査察ベースで考えれば、「マルト(○と)」となりますが、個人課税部門は所得税を取り扱っている部署名なので、所得税の頭文字「所(ところ)」と呼んでいます。
同じ税務署の部署でも、税金を取り立てる徴収部門は、「ギョウニン」と呼んでいます。
頭文字の「ち」でなく、漢字の「徴(ちょう)」でもありません。
頭文字の「徴」の部首が、ぎょうにんべんなので、徴収部門は「ギョウニン」といいます。
国税組織の隠語に法則はありません。
部内の人間ではないと、どこの部署かは把握することはできないのです。
私は元税務署職員ですが、現役税務署職員を見分ける力を持っています。
実際、電車内で顔も知らない人を税務署職員と断定したこともあります。
ちゃんと聞けばわかるのですが、会話の用語が意味不明です。
「マルソウの案件がさ~」
「マルゾウの調べはどうなった」
「人事異動でサンにスリッパになった」
この言葉が通じる人は、(元)国税組織の人間だけです。
しかし、隠語を理解すれば、会話の内容を聞き取ることは可能です。
電車内での会話にヒヤヒヤした経験は1度や2度ではありません。
元職員として、情報漏えいの心配をしてしまうほど。
もっとも、通報できるのは隠語を知っている職員だけなので、同僚を陥れる以外に通報することはありませんが。。
参考にならない程度のご参考に…
Writer:矢駒(ヤコマ)元税務署ブロガー兼ライター
HomePagehome Twitter